http://topics.jp.msn.com/wadai/j-cast/article.aspx?articleid=1274456
礼拝所不敬罪は、刑法188条1項に規定されていて、「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。」とされています。
那智の滝、が、「その他の礼拝所」にあたるかどうかが、まず問題となりますが、礼拝所とは、宗教的な崇敬の対象になっている場所で、神祠、仏堂、墓所はその例示であると解釈されていますから、那智の滝も該当はしそうです。特に問題となりそうなのは、滝を登るのが「不敬な行為」に該当するかですが(公然性は肯定できるでしょう)、礼拝所の神聖さを汚し一般人の宗教感情を害する行為、と解釈され、刑法の教科書では、対象物の損壊とか汚損、といった行為が例示されていて、「登る」という行為が、客観的に不敬な行為に該当するかどうかには、やや微妙さがあるような気がします。客観的にそのような行為である、とされても、行為者の主観面で、そういった不敬な行為に該当する、という認識、認容がなければ、犯罪の故意が欠けることになります。
検察庁の判断が注目されるところでしょう。