犠牲職員の遺族が町長告訴=業務上過失致死容疑−宮城・南三陸

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012030600477

東日本大震災津波宮城県南三陸町の防災対策庁舎にいた同町職員らが犠牲になったのは、佐藤仁町長(60)の対応に問題があったためだとして、町職員の遺族が6日、同町長について業務上過失致死容疑での告訴状を県警南三陸署に提出した。同署は、内容を精査した上で受理するかどうか検討するとしている。

東日本大震災後の津波被害について、いろいろな形で、より適切な対応をしていれば死亡者が出なかったのではないか、ということが指摘されていますが、こうした業務上過失致死罪の適否ということも、今後、さらに問題になる可能性はありそうですね。
問題は、過失の有無ですが、過失が成立するために必要となる具体的な予見可能性、ということを考えた場合に、特に刑事の過失については、津波の規模が未曾有のものであっただけに、あれだけの大津波を予想した上で避難措置を講じるべきであった、とまでは言い難い面があるのは事実でしょう。とは言え、捜査機関としても、重大な結果が発生していることや遺族の感情を真摯に受け止めて、行うべき捜査はきちんと行い誠実に取り組んだうえで結論を出すということを避けて通るべきではない、という気がします。関係者の冷静な対応に期待したいと思います。