http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012022090153652.html?ref=rank
最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は20日、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。
判決は「犯行は甚だ悪質で、動機や経緯に酌量の余地はない。被害者の尊厳を踏みにじる冷酷、残虐で非人間的な行為だった」と指摘した。
被害者2名の殺人事件では、過去に死刑判決が出たケースも無期懲役になったケースもありますが、本件の場合、最高裁が述べているように、罪質(犯罪の性質)があまりにも重大、残虐で、死刑制度を存置する現行法の下では、特段の事情がない限り、死刑を選択せざるを得ないケースと言うしかないでしょう。以前の最高裁の差戻判決では、そういった「特段の事情」がないかどうかを審理するよう要請していたわけですが、そういった事情がない、という判断も、報道されているような訴訟経過(新たな弁解を縷々述べていることも含め)や、現行の刑事実務、量刑判断の在り方、類似事例との均衡といったことを考えると、やむを得ないのではないかという印象を率直に受けるものがあります。
死刑問題を考える上でも、今後、様々に検討される事件になると思われますが、ここから何かが新たに生まれるわけでもなく、切なさとやりきれなさが残るのは、こういった極限的な刑事事件の宿命のようなものかもしれません。
若くして無念の中に亡くなった被害者のご冥福を、心よりお祈りします。
追記:
最高裁のサイトに、判決文がアップロードされましたね。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120220164838.pdf