ネットワーク接続遮断まで起こしたKTとサムスンの大激突 トラフィック負荷のいがみあい、問われるネットワーク中立性

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20120217/1041419/
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20120217/1041419/?P=2

スマートTVの利用者が増えるにつれ、通信事業者は、スマートTVを販売するサムスンとLGがネットワークにタダ乗りしていると反発するようになったのだ。KTはサムスンとLGに、「スマートTVを売りたいならネットワーク使用料を払うべき」と要求している。
KTは大量のトラフィックを発生させる企業からもネットワーク使用料をもらうことで、ネットワークに投資できる金額を増やせる、より高速で安定的なネットワークサービスを提供できると主張する。

ユーザーの心配は、スマートTVから始まったトラフィック負荷とネットワーク使用料論争が、一番人気のある「カカオトーク」や「スカイプ」といったメッセンジャーと音声通話のできる無料アプリケーションにまで及ぶのではないかということだ。

ネットワークの中立性、という点で、注目すべき紛争が、IT先進国の韓国で起きていますね。
ネットワークは中立であるべき、と言えばそれまでですが、右肩上がりでトラフィックが激増する中で、設備の増強等には、当然、費用がかかり、誰かが負担しなければ破綻してしまいます。今までは、ネット接続の費用がどんどん安くなることで普及に弾みがついてきた面がありますが、この辺で、負担の見直し、合理的な分担といったことを考えないと、お金が湧いて出てくるはずもないので、ネットワークの中立性自体が損なわれる方向で物事が進んでしまう恐れがあるでしょう。モバイル通信の分野では、上限がないデータ通信定額制が徐々に見直されつつあり、一定のデータ量までの定額とそれを越えた場合の従量制の組み合わせへと移行する傾向が出てきていますが(その流れは遠からず日本にも波及するでしょう)、自宅等でメインで使うインターネットに従量制が導入されれば、利用者としてはトラフィックの増大が気になって使いにくくもなることは容易に予想され、弊害も出てきます。
今後、こういった問題は日本でも深刻なものとしてクローズアップされる可能性があり、韓国での動向は注視しておく必要があるでしょう。