明石歩道橋事故、弁護側は時効成立と免訴求める

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120119-OYT1T00990.htm

検察官役の指定弁護士は冒頭陳述で「15万人の見物客が集まる会場をたった16人で警備する計画は、不十分というほかない。署の警備本部で、映像で混雑状況をリアルタイムに認識し、事故を予見できた」とした。

既に行われた別の被告人の刑事判決では、警備計画策定段階から関係者に過失があったことが指摘されていたと記憶していますが、この事件の、指定弁護士にとっての難しさは、過失の共同正犯が成立しているからこそ共犯者の公判中に時効が停止していて免訴にならないという立証をする必要があるところでしょうね。事故当日、事故直前へと時系列が進むに従い、既に有罪判決を受けた部下とは立場が異なる元副署長は、注意義務の「共同」という点が希薄になって行く面があると思います。通常、過失の共同正犯という訴因にせず過失の競合という訴因にすることがほとんどであるのは、こういった共同性の立証になかなか難しさが伴うからで、今後、共同の注意義務違反という点を、どこまで立証できるかが注目されます。