恐喝の山口組系元幹部に無罪判決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141001-00000145-san-soci

判決理由で後藤裁判長は、「不動産業を営む男性が、企業舎弟として任意で会費を払っていた疑いを払拭できない」と判断した。

この事件がそういう事件かどうかは、証拠も見ていなくてわからないのですが、私が、検察庁にいた当時にかなりの数の暴力団事件を取り扱っていた当時に感じていたのは、警察のこの種事件への取り組みに当たり、「事件化することに意味がある」「起訴されなくても立件、逮捕、勾留すれば手柄になる」といった側面があって、立件にあたりまずい事情が意図的にドロップされて事件化されていることもある、という印象を受けていましたね。そういう、大人の(?)事情は、任官して日が浅い、ジュニアな検事だとよくわからず、警察の勢いや言葉に刷り込まれてしまいがちですが、被疑者や弁護士が、一見、嘘を「弁解」しているように見えても、結構、本当の、ポイントを突いたことを言っていることもあり、そういう諸々の事情をうまく取捨選択して起訴、不起訴をきめないと、不起訴でドロップすぺき事件が公判に紛れ込んでしまって紛糾し、無罪にもなる、という流れをたどりかねないと思います。
その辺が、最近の、検事任官者が少なかった頃とは異なる、秀才揃いの若手検事に、どの程度わかっているのか、そういうことは何の教科書、参考書にも書いていないことなので、ちょっと気になるところです。