陸山会事件:小沢氏3度目聴取 東京地検、月内「不起訴」も

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100516ddm001010051000c.html

全員一致で起訴相当と議決した東京第5検察審査会のメンバー11人のうち6人は4月末に交代したが、5人は残る。仮に特捜部が再度不起訴とした場合、第5審査会で再び審査される。新たに選任された6人のうち3人が「起訴すべきだ」と判断すれば、11人中8人の賛成で「起訴議決」が行われ、小沢氏は強制的に起訴されてしまう。起訴相当とした残る5人の任期は7月末。弁護側には「応諾を引き延ばすべきだ」との意見もあったとされる。

東京第5検察審査会による先月の議決直後から、検察内部には再捜査で新たな供述や証拠を得られるとは考えにくいことから「これ以上、捜査をやりようがない」との声が漏れていた。審査会が元秘書らとのやりとりを基に、小沢氏の「共謀共同正犯成立」に言及した点については「考え方が根本的に違う。これを今の証拠で立件したら大変なことになる。誰でも共犯になってしまう」と懸念を示した。
検察が早期決着を念頭に置くのはプロのプライドからだけではない。5月末から6月にかけ検事総長東京地検検事正らの人事が予想され、「事件を担当した当事者による決着」を図る意向もかいま見える。

関係者の思惑が様々に渦巻く様子に興味深いものを感じますが、小沢氏が、上記の記事にあるような「引き延ばし」を図ったとしても、検察審査会の議決後の再捜査で被疑者から事情聴取を行う義務があるわけではないので、言い分を述べる機会を与えたにもかかわらず述べなかった、として再聴取なしで処分決定ということになる可能性は高かったでしょうね。
近く検事総長が代わり、そうなれば、連動して東京地検検事正も代わることになると予想され、先の不起訴処分を検討したメンバーで再度の処分も検討して出しておきたい(これだけの重い案件を後任者に引き継がないようにしたい)と考えるのは自然なことで、検察審査会議決後3か月の期限である7月下旬まで処分決定を待たずに今月にも、という流れになっている理由の大きなところはこの辺にあるのかもしれません。
最近、2回目の起訴相当議決が出て強制起訴となった福知山線脱線事故では、検察庁の不起訴処分後、約3か月半程度で検察審査会の議決が出されていますが、小沢氏の事件はそれに比べれば証拠関係が複雑ではなく、元々の審査メンバーが5名残っているということなので、今月中に検察庁が不起訴処分とすれば、場合によっては7月の参議院議員選挙前に検察審査会の起訴相当議決が出る、ということも十分あり得ることでしょう。