葬儀場の出棺見えても「我慢すべき」 住民側が逆転敗訴

http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY201006290228.html

フェンスのかさ上げを認めた二審・大阪高裁判決を破棄し、住民側の逆転敗訴が確定した。
葬儀場は建築、営業に違法性はなく、周辺に高さ1.8メートルのフェンスも設置していた。しかし、住民側は「2階から場内が見え、常に緊張とストレスを強いられる」として、フェンスをさらに1.5メートル高くするよう求めていた。
第三小法廷は、幅約15メートルの道に隔てられている▽見えるのは家の2階からだけ▽葬儀などは月20回程度で出棺はごく短時間――などの理由を挙げ、住民側が我慢すべきだと判断した。

最近でも、

向かいで葬儀やめて 東京・新宿区を提訴
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20091027#1256625593

といった紛争が話題になっていましたが、相隣関係における受忍限度という問題について、こういった最高裁としての判断が示されたことで、今後の同種事例の参考になりそうですね。
ただ、こういった評価は、時代につれ、人々の意識につれ変化し得るものであり、固定的に考えてしまうべきではないでしょう。

追記:

判例時報2089号74頁(最高裁第三小法廷平成22年6月29日判決)