前田元検事が検察批判「小沢さんは無罪」

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当時の捜査を振り返って「現場は厭戦(えんせん)ムード。積極的なのは特捜部長や最高検幹部の1人だけ」と検察幹部を名指しで批判。小沢被告が用意した4億円の原資について「ゼネコンの献金という筋は夢みたいな話。小沢さん(逮捕)までいく可能性は多分ないと思った」と述べた。

私も、特捜部等による大きな捜査の応援に、末端の検事として駆り出された経験は何度もありますが、捜査方針に無理があって、かつ、それがなかなか見直されないと、「下」で捜査に従事する検事や事務官は、捜査方針と、それに沿わない捜査状況との間で、板挟み状態になって、かなりきつい思いをしがちです。取調べの合間の、食事の際などには、お互いに愚痴を言い合ったり上司の悪口を言ったりしながら、さりとて、現場を放棄するわけにも行かず、嫌々、渋々、仕事を続けている、ということになりがちで、上記のような「厭戦ムード」というものが、自分の経験にも照らし、リアルに想像できました。
そういった捜査の実態にも目を向けられず、無理に無理を重ねてとられた供述調書の文字面に幻惑され、起訴相当という議決をした検察審査会の甚だしい見当違いが、広がる失笑の中でますます明らかになってきたと言えるでしょう。
従来、ありがちだった、捜査機関の暴走により冤罪が生まれるというパターンに加え、暴走する検察審査会による見当違いな起訴相当議決に裁判所が安易に乗っかってしまうことによる冤罪、というパターンにも、今後、強く警戒する必要性を感じます。