http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100401-00000089-jij-soci
検証結果は、警察と同様に、誤認の原因を「DNA型鑑定を過大評価し、自白の吟味が不十分だった」と総括。再発防止策として、凶悪事件を担当する「本部係」を全国の検察庁に置くとした。
本部係検事は、警察で捜査本部が立っている事件に対応するもので、従来、東京などごく一部の地検に置かれるにとどまっていました。
宇都宮地検のように、捜査と公判が分離していない、中小規模の検察庁では、通常、三席検事が、捜査本部が立つような事件について対応していますが、警察捜査にどの段階から関与するか、どういった対応をするかといったことは、統一的な基準があったわけではなく、各地検でバラバラの対応で、警察捜査が問題を抱えたまま進行してしまったり、逆に、警察がかなり慎重に捜査を進めた上で検察庁に協議を求めてきたにもかかわらず検察庁側の対応が芳しくなく捜査に悪影響を与えたりと、とかく、ぎくしゃくしたものになりがちであったと思います。足利事件では、当初、宇都宮地検足利支部が警察と対応していたところ、急に、四席検事が対応することになったということで、そういった本庁と支部の役割分担ということも、従来はとかく曖昧なまま放置されるなどして、捜査が問題を抱えたまま進行してしまうということを招いてしまっていた面があったと言えるでしょう。
警察側にも、従来は、検察庁による捜査への「介入」を嫌がり、捜査が相当程度進展しないと検察庁に協議を求めず、そういった姿勢が、捜査方針等を巡る警察と検察庁の深刻な対立を招き捜査が暗礁に乗り上げてしまうことになるといった例も少なからずありました。
今後、全国の検察庁で本部係が置かれることで、そうした弊害が是正される方向に進むことが期待されますが、弊害是正を意識し、適正捜査を実質的に目指すような運用がなされないと、単なる「絵に描いた餅」に終わりかねません。