来週、福岡へ日帰り出張することになり、ANAにするかJALにするか迷いましたが、危機的状況にあるJALに乗って支援(と言っても1人乗った程度では焼け石に水の水にもならないでしょうけど)してやろうと思い、JALで行くことにしました。奮発(?)して、行きも帰りもクラスJにしたので、JALにとっては2000円ほど増収になります。
JALの危機に関する報道を見ていて感じるのは、焦っているのは経営者ばかりで、それ以外の社員に危機感、切迫感が感じられず、一体、どういうつもりでいるのだろうか、ということですね(見えていない部分にはある程度問題意識を持っている人もいるのかもしれませんが)。一旦、染みついてしまった親方日の丸意識というものは、組織をウイルスのようにむしばみ、なかなか払拭できないものなのかもしれません。
以前に、破綻して今は消え去ってしまったパンナム(パン・アメリカン航空)に関する記事か何かを読んだことがありますが、社員はエリート揃いで待遇も良かったものの、内部ではモラルハザードが起こりかなりの堕落が見られたということで、再建の道が閉ざされた原因として、そういった「人」の問題が大きかったのでは、と感じたことがありました。
金融機関としても、深刻な危機に陥りながら、会社が一丸となって危機感、切迫感を持つような状態でもなく、OBは年金減額に猛反対しているような会社に新たな融資を垂れ流すわけには行かない、と考えるのは無理からぬことであり、私が金融機関の立場にあっても、まずは徹底したリストラを強く求めるでしょう。
ここまで危機だ、破綻だと騒がれれば、イメージとしては既に「倒産」状態であり、また、破綻したからと言ってすぐに消えてなくなってしまうわけでもなく、利益が出る路線なら引き受けたいという受け皿も出てくるでしょう。一旦、破綻させ法的整理というスキームに移行したほうが、会社をむしばむウイルス、魑魅魍魎のような勢力を切り捨てることができ、長い目で見ると得策、ということも十分あり得ます。
したがって、法的整理を、むしろ積極的に導入すべきであり、それは結局はJALのためにもなり国民のためにもなるのではないかという気がしています。