裁判員裁判で法廷通訳人に負担増…8日に外国人被告初審理

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/298751/

通訳人への負担増が懸念されていることを受け、従来は一つの裁判に通訳人1人が一般的だったところを、最高裁は場合に応じて通訳人を複数とする方針を示している。
実際、今回のさいたま地裁の公判では地裁が「負担が大きい」と判断し、2人が配置される。2人は主尋問と反対尋問で交代するなど、役割分担するという。
水野教授は複数制を歓迎しながらも、「2人の能力の差が大きければ、通訳内容にずれが生じ、整合性が取れなくなる」と“不安要素”も挙げる。
日本は法廷通訳人の資格認定制度が未整備なことから、水野教授は「少なくとも研修制度をつくって通訳人が最低限の訓練を受けられるようにすることが重要だ。裁判員裁判に向けた通訳人の特別な養成プログラムが必要」と提案している。

従来から、法廷通訳には様々な問題があったわけですが、裁判員制度の中で、従来の問題点がさらに増幅されて深刻化する可能性が高いでしょう。
上記の記事にある「整合性」の問題も重要で、法律上の重要な概念(例えば「殺意」など)について、複数の通訳人のニュアンスが異なれば、それが被告人の供述場面であれば「変遷」と捉えられかねず、致命的に不利に働く恐れもあります。
傍聴席で通訳の正確性を確認する「チェック・インタープリター」の導入を含め、ここはかなり慎重に臨まないと、通訳に問題がある故に手間暇かけた裁判員裁判が無に帰するといった取り返しがつかない事態すら生じかねないでしょう。