「経験通じず」法廷通訳人の不安ピーク 大阪弁護士会が警鐘

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090609-00000151-san-soci

ボ2ネタ経由で知りましたが、かなり深刻な問題になりそうな予感がします。

口頭主義の裁判員裁判では、要点のみを記した書面が主流になるとみられ、判決も決定後すぐ言い渡される。このため、ほとんどが事前準備なしの逐次通訳になる可能性があり、通訳人の負担は一気に増えると予想されている。
また、これまでの通訳対象裁判は1日2時間程度だったが、裁判員裁判では1日5時間以上、数日間の連日開廷になる。疲労のあまり、誤訳があれば裁判員の心証に影響し、事実認定や量刑をゆるがす可能性も指摘されている。

元々、法廷通訳人は、国家資格もなく、人により経験、能力にもばらつきがあります。裁判員裁判では、経験、能力がある法廷通訳人が依頼されるようにはなるはずですが、うまく依頼できるかどうかはその時々の状況により、また、地方では確保できる法廷通訳人の数も限られてくるので、まずは、そこから不安が出てくるでしょう。
記事にもあるように、従来は、読み上げる書面(冒頭陳述、論告、弁論等)を予め法廷通訳人へ送っておいて準備する、ということが行われてきましたが、そういった準備もままならないと、かなり厳しい状況になることは目に見えています。
通訳の正確性が問題になり上訴されるような事態を避けるためにも、特に裁判員裁判では、法廷通訳人を手厚く配置し、かつ、通訳の正確性をチェックする別の通訳人を傍聴席に配置しておくくらいの配慮が必要ではないかと思います。