http://www.asahi.com/obituaries/update/1220/TKY200812200203.html
いわゆる「ロッキード事件」をめぐって76年、米国上院の委員会で日本などへの航空機の売り込み工作について証言。東京地裁の嘱託を受けたロサンゼルス連邦地裁による嘱託尋問では、全日空にトライスターを売り込むため、田中角栄元首相(故人)に対して5億円の供与を約束したと証言するなど、事件の解明に大きな影響を与えた。
記事にあるように、ロッキード事件は、日本における戦後最大の疑獄事件と言っても過言ではないでしょう。その中で、贈賄側の中心人物であったコーチャン氏が果たした役割は大きく、嘱託尋問により全貌を証言したことが捜査を大きく前進させるとともに、嘱託尋問調書の証拠能力が、その後長く議論されることにもなりました。
嘱託尋問が行われる過程で不起訴処分(この処分のあり方が後々まで問題になったわけですが)になったものの、刑事責任追及を警戒し、日本には足を踏み入れないようにしているという話を何かで読んだことがありました。この慎重さがあれば、ロス疑惑の三浦和義氏もサイパンで身柄を拘束されるようなことにならなかったでしょう。
コーチャン氏は94歳であったということですが、当時の重要な登場人物の中で、おそらく、最も長生きした部類に属するのではないかと思います。あの世で田中角栄元首相などの関係者に会ったら、互いに何と声を掛け合うのだろうか、などと思ってしまいました。