殺人事件:時効迎えた遺族 制度の見直し訴え

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081214k0000m040080000c.html?link_id=TT001

法務省刑事法制管理官室の担当者はこれまでの取材に「時効制度の改正は、被告人側の利益を失わせるため、慎重に検討する必要がある」と話している。

時効制度が存在する理由の中に、日時の経過により証拠が散逸することや、そういった事情もある中で捜査機関の限られたリソースをより見込みのある事件に投入すべきであるといった事情もあります。実際、殺人等の重大事件であっても、数年程度、捜査をやって手詰まりになると、捜査本部も事実上解散してしまい、所轄警察署で捜査をやっている形にはしつつ、ほとんど何もやらないまま時効を迎えてしまう、という事件も少なくありません。
ただ、諸外国では殺人のような重大事件の時効をなくしているところもあるようであり、日本でも、特に悪質性が高い重大事件(強盗、強姦目的の殺人とか殺人被害者が複数など)については、思い切って時効をなくしてしまう、ということも、今後は真剣に検討される余地があるように思います。
その場合、そういった事件の捜査の在り方もきちんと整理、整備すべきであり、担当者が退職した後も嘱託として雇用を継続し捜査に従事させるとか、そういった人々を集めた「継続捜査センター」のような組織を作るなど、いろいろな方法はあるのではないかと思います。