昨夜、フジテレビでこの事件をテーマにした番組を放映していて、興味を感じ見ました。
以前に、
- 作者: 一橋文哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/07
- メディア: 単行本
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を読んだことがあり、改めて、この未曾有の大事件に対する興味が強くなりました。
捜査がうまく行かなかった事件には、複数の原因があるのが普通で、三億円事件が迷宮入りしてしまった原因も単純なものではないと思いますが、ドラマを見て感じたのは、吉展ちゃん事件で決定的な自白を得て事件を一気に解決に持ち込むなど、名刑事として神格化されていた面もあった平塚八兵衛が採っていた単独犯説にには無理があり、少なくとも協力者はいたと見るべきであったものの、平塚八兵衛ほどの人物がこうと言って引かないと、他の人物が異を唱えることは困難で、そういった事情も捜査を迷走させた一因であったのではないか、ということでした。
以前、
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070501#1177946707
でも触れたことがありますが、捜査の中で(捜査に限られませんが)力がある人物が自信を持って自説を述べると、どうしても異論が封じられその説が独り歩きしてしまう、ということが起きがちです。そういうことにならないように、いろいろな考え方をバランス良く出させて物事を進めて行く、ということを、言葉で言うのは簡単ですが、それがなかなか実践できないのが実務であり、捜査が陥りがちな落とし穴のようなものを、ドラマを見て感じたような気がしました。