リンカーンの「奴隷解放」目指す書簡、NYで競売に

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200803070018.html

今回出品されるのは、リンカーンが1864年に、マサチューセッツ州コンコルドの少年少女195人にあてた手紙。リンカーンは同年4月に、この少年少女たちから、奴隷の子供たちの解放を訴える手紙を受け取った。
これに対する返事で、子供たちの願いに心を動かされたとみえ、子供たちの願いをまとめてリンカーンに送った女性に対し、「寛大な心を持つ若者たちに、本当に喜んでいるこことを伝えてください」と、手紙へのお礼を述べている。
さらに、奴隷制度の廃止を目指していること、奴隷の子供たちを解放するのは、神の意思だと述べ、「すべてを成し遂げる力が自分にはなくとも、神の意思で奴隷は解放されるだろう」と書きつづっている。
リンカーンは1862年に奴隷解放宣言を発布しているが、1864年当時は南北戦争中で、奴隷制度は事実上、続いていた。

南北戦争中のリンカーン大統領は、苦しい戦局を打開するため、苦悩の日々を送り、現在、よく紹介される写真(昔、ワシントンのリンカーン記念堂へ行った際に、私もお土産に買いました)を見ると、疲れきっていることがよくわかります。暗殺されなかったとしても、南北戦争後、それほど長生きはできなかったのではないか、という気がします。
昔、カーネギーの「人を動かす」

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

を読んでいた際、リンカーン大統領が、南北戦争中、前線の司令官に宛てて、その不手際や戦意のなさを厳しく叱責する内容の手紙を書いたものの送らず、死後に身の回りの品の中から発見された、というエピソードが紹介されていて、他人を思いやる気持ちが強い、人間的にも優れた人物であったことが感じられたことが思い出されます。上記の記事で紹介されている手紙は、そのような人間性、人格を示すものである、という印象を受けます。
「人を動かす」は、この分野における不朽の名著ですが、最近、六本木ヒルズに多数集まっているような、就職活動中の大学生などには、是非、社会に出る前に読んでみてほしい1冊という気がします。