成績最下位者は「ヤギ」 米陸軍士官学校、負け組から勝者も

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130130/amr13013020430007-n1.htm

国史上、多くの逸材を輩出してきた陸軍士官学校「ウエストポイント」の毎春の卒業式で、成績が最下位の生徒を「ゴート(ヤギ)」と呼んで祝福する独特の慣習がある。卒業時の才能は他人より劣るとはいえ、陸軍内で努力を積み重ね、目覚ましい昇進を遂げる例もあり、最優秀の生徒より脚光を浴びる存在にもなっている。

南北戦争(1861〜65年)中の北軍の英雄で「恐れを知らない闘士」の異名を持つジョージ・カスター将軍は同校史上最も有名な「ヤギ」(61年卒業)だ。学生時代は遊び好きで、他の学生のケンカの仲裁に入り自身も逮捕された。同戦争中、ゲティズバーグの戦いの「ピケットの突撃」で知られるジョージ・ピケットも46年卒の「ヤギ」だ。

当初、負け組であっても、長い人生において勝者となる例は少なくなく、陸軍のベセッラ氏は「たとえ一時はビリであっても、たゆまぬ努力を積み重ねれば、チャンスはいくらでも存在するということを米国史は教えてくれている」と話している。

私も、来年は生きていれば50歳になり、随分と優秀な人々を見てきましたし、成績では中から下という人(自分もその中に入っていますが)も随分と見てきましたが、優秀さを鼻にかけ、期待されていたにもかかわらず伸びなかった、活躍しなかった、という人もいれば、成績は下位でも、地道にこつこつと努力して信頼され活躍する、という人もいて、学校の成績が良いから、悪いから、というだけで一喜一憂するべきではない、ということは感じます。上記の記事で紹介されている、ウエストポイントの慣習は、記事を読んで初めて知りましたが、成績が悪くても、皆で明るく卒業を祝福し、ともに頑張ろうと激励する、とても良い慣習だと思いますし、そうした、上から下まで(下が下のままでは必ずしもないことはカスター将軍の例からも明らかですが)一丸となって戦う組織になる、そういう存在を目指す、というのは、望ましいことだと思います。日本の旧軍のように、陸軍士官学校海軍兵学校での成績が一生ついてまわり、成績が悪いとなかなか活躍の場がない、という、官僚的な軍隊よりも、勝てる可能性がある組織、という印象を受けました。米軍の強さというものは、こうしたところにもあるのかもしれません。