無期判決なのに社会復帰諭す 裁判長、連続強姦の被告に

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007121190110437.html

伊藤新一郎裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡し、判決理由で「強い常習性があり再犯の可能性も高い」などと言及。しかし、その後の説諭で「社会復帰後は二度とこのようなことをしないように。家族も待っているんだから」と語りかけた。
これについて、ある司法関係者は「被害者感情を考えるといかがなものか」と指摘。傍聴していた女性も「強い常習性、再犯の可能性を認めておきながら、社会復帰について話すのは違和感があった」と話した。
一方、ある裁判官は「量刑理由で社会復帰の可能性に触れることはさすがにできないから、説諭したのだろう。被告の年齢が若い時は、社会復帰が考えられるので、自暴自棄にならないよう社会復帰に触れることはやむを得ない」と理解を示した。

無期懲役刑は、「終身刑」とは異なり、刑期はかなり長くはなりますが仮釈放の可能性は存在する刑ですから、私自身の感覚は、上記の「ある裁判官」に近いですね。ただ、社会復帰に触れることが「やむをえない」とは思いません。
昔から、この種の裁判官の説諭は、感覚がずれている人が多いからか、何かと物議をかもすことが多く、かえって余計なことは言わずに、さっさと閉廷して消えたほうが良かったのではないか、と思わせるものが少なくありません。
本件も、国によっては死刑判決が出てもおかしくないほどの重罪であり、社会復帰云々は、服役後に、本人がじっくりと時間をかけて考えればよく裁判所がわざわざ説諭で触れる必要もない、という判断のほうが賢明であった、と言えそうです。
裁判官による説諭の在り方、ということを考える上で、参考になるケースと言えるように思います。