<凶悪無期懲役>検察が仮釈放に慎重審理求める 指定事件で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091018-00000005-mai-soci

無期懲役受刑者の相当数が有期刑最長の20年(当時、現在は30年)を下回って仮釈放され、再犯も散見されるとし、「特に犯情が悪質な者には従来の慣行にとらわれることなく、相当長期間にわたり服役させることに意を用いた権限行使をすべきだ。仮釈放に対する意見はより適切で説得力あるものとする必要がある」としている。
指定の対象は死刑求刑に対して無期判決が確定した場合や、特に悪質と判断した事件、再犯の可能性がある場合など。判決確定時や服役中の無期受刑者が仮釈放の審査対象になった場合に調査票を作り、刑務所に指定結果を伝えた上で、検察庁内で書面で引き継ぐ。

無期懲役受刑者が仮釈放を許可されるまでの平均期間は98年の20年10カ月から、08年は28年10カ月に延びた。仮釈放は刑務所長の申し出により、全国8カ所の地方更生保護委員会が審理する。受刑者本人への面接や帰住地調査、被害者の心情調査、検察への意見照会も含めて判断する。
検察官が反対しても許可できるが、99〜08年の無期懲役受刑者に対する仮釈放許可率は、検察官が「反対でない」とした場合が76%だったのに対し「反対」の場合は38%だった。

この制度については、かなり前に

マル特無期刑(?)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050528#1117214879

とコメントしたことがあり、私のコメントは記憶だけで書いたものでしたが、マル特無期に指定されると、仮釈放許可率が著しく落ち約半分になっていて、かなりの影響力があることがわかります。
ただ、刑が確定した後、長い年月が経過する中で、当初のマル特指定がどこまで有効性を維持していると言えるのかという問題は生じるはずで、仮釈放の審査にあたりマル特指定が決定的なものになる、ということはないはずですが、取り扱いによっては受刑者の更生を阻害したり更生意欲を削ぐということにもなりかねず、今後とも慎重な取り扱いは求められているように感じます。