クジラ救出作業中の死亡事故で減免署名約8300人

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071128-00000004-san-l38

事故から半年後の9月、宇和島海保は元参事を業務上過失致死容疑で書類送検した。
元参事が「船をクジラの尻尾に近づけない」との注意を守らなかったことや、独断でロープのかけ方を変更したことが「過失」にあたり、その結果、クジラが暴れ出す状況が生じた−と結論づけた。行政側の責任については不問とした。

この事故が起きた場面は、テレビのニュースで見た記憶があり、印象に残っています。
「ボランティアだから」ということだけで、刑事責任が減免される、ということにはなりませんが、本件の場合、上記の「元参事」に、そもそも、結果の発生を防止すべき業務上の注意義務が認められる、そういった立場にあったと言えるかどうかが問題でしょう。
刑事上の過失責任は、「結果責任」ではなく、結果の予見及び回避が可能であり、かつ、予見及び回避をすべき立場にあったと、法的に評価できる者について問われるもので、この記事を見る限り、元参事がそのような立場にあり注意義務違反が認められると言えるかどうかには、疑問があると言えるでしょう。
海上保安庁が業務上過失致死事件を捜査した、と聞くだけで、不安を覚えるものがあり(要するに、海保にはその種事件の捜査経験も知識も乏しいということです)、検察庁における慎重な捜査及び事件処理が必要と思われます。