「菊と葵のものがたり」

菊と葵のものがたり (中公文庫)

菊と葵のものがたり (中公文庫)

先年、惜しくも逝去された高松宮妃殿下による回想録です。まだ読めていなかったので、海外滞在中に少しずつ読んで、読み終えました。
高松宮だけでなく、早くに逝去された秩父宮に関する回想など、身近にいた者でなければ知り得ないエピソードが次々と明らかにされています。秩父宮については、2・26事件の際の動きに不審な点がある、決起した将校と通謀していたのではないか、といった疑惑が語られることがありますが、高松宮妃殿下はこれを強く否定していて、印象的でした。
徐々に遠くなる「昭和」を思い起こさせる1冊であると思いました。