「神の銀行家」変死、マフィアら無罪 謎解けぬまま…

http://www.asahi.com/international/update/0608/TKY200706080037.html

ローマ地裁は6日、バチカンとの深い関係から「神の銀行家」と呼ばれたイタリア最大銀行の頭取が25年前、銀行倒産後にロンドンの橋で死体で発見された事件をめぐり、殺人罪などに問われていたマフィア幹部など5人の被告全員に無罪判決を言い渡した。

変死したのはアンブロシアーノ銀行頭取ロベルト・カルビ氏。82年夏、13億ドル(約1600億円)の不正融資による焦げ付きが発覚、その数カ月後にロンドン中心部セントポール大寺院近くのテムズ川の橋の下で首をつった状態で発見された。ポケットに多額の現金やれんがが入っていたが、英当局は自殺と判断。遺族は納得せず、専門家を雇って調査し、カルビ氏の靴に付近の土を踏んだ痕跡がなかったことなどを突き止めた。

この事件(「靴に付近の土を踏んだ痕跡がなかった」ことからも事件であることは間違いなさそうですが)、先日読んだ

イタリア・マフィア (ちくま新書)

イタリア・マフィア (ちくま新書)

でも取り上げられていて(著者は、他殺であることを当然のこととしていました)、バチカンとマフィアの間の関係についても鋭く指摘され、きれい事では済むはずもない深い闇の部分が強く実感されて、慄然とするものがありました。
この本は、マフィアの歴史や、司法当局とマフィアとの熾烈な闘いなどが、コンパクトにまとまっていて、この分野に関心を持つ人にとっては、非常に参考になる1冊であると思います。