米国:死刑中止に奔走 若き弁護士たち

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薬物注射に対する最近の訴訟では、12の州で死刑執行の中止に成功した。多く場合、薬物注射による死が米国憲法第8条違反である可能性を示す証拠が提示された。第8条は「残酷かつ異常な刑罰」を禁止している。
これらの訴訟の多くは、いわゆる公選弁護人の仕事を専門とする若手弁護士が提起したものである。死刑に値する犯罪の容疑者や死刑囚はほぼ全員が、貧しく弁護士費用を支払う余裕もないため、公選弁護人を必要とする。デンノ氏は、公選弁護人は一般に米国でもっとも弁護士報酬が低いと述べている。

最近、改めて思うのは、日本でも、米国で採用されているような、公設弁護人事務所、といったものを設けて、国選弁護や当番弁護など、公益性のある業務は、そこが中核となって遂行することにしないと、日本の刑事司法は良くならないのではないか、ということです。
質の高い刑事弁護を遂行し、高い専門性を維持している刑事裁判官や検察官と対等にわたりあって行くためには、現状のように、個々の事件単位で報酬をもらう方式では種々の面で無理があります。公設弁護人制度により、その職務に専念する弁護士が全国に存在する状態になれば、専門知識の共有、継承もより可能となり、刑事弁護全体のレベルアップによって、無辜の不処罰、争点の早期明確化による合理的かつ効率的な捜査、公判などが可能となると思います。現行の制度よりは費用がかかることにはなっても、得られる数々のメリットのためにかかる費用としては、十分引き合うものになるでしょう。
法テラスができ、聞こえてくるのは、弁護報酬が以前より更に減らされた、といった話ばかりですが、裁判員制度だけでなく、刑事司法全体の制度設計の見直し、ということを、今後も真剣に考えて行く必要性を痛感します。