ライブドア粉飾 公認会計士に実刑 東京地裁「職責放棄、信用失墜」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070323-00000033-san-soci

粉飾決算については、堀江被告らの判決と同様、「成長性の高い企業を装い、多数の投資者に資金を拠出させた」と悪質性を強調した。

これで、堀江被告人、宮内被告人と、公認会計士1名の、計3名が実刑になったわけですが(もちろん、今後、無罪や減刑の可能性はありますが)、この種事件に対する裁判所の厳しい姿勢が顕著に出た、と言えると思います。
証券取引法は、第1条において、

この法律は、国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有価証券の発行及び売買その他の取引を公正ならしめ、且つ、有価証券の流通を円滑ならしめることを目的とする。

としていますが、ライブドア事件で問題となったような犯罪は、「国民経済の適切な運営及び投資者の保護」に甚大な悪影響を与えるものであり、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060118#1137548851

でもコメントしたように、「市場や国民全体が被害者」であって、事案によっては、その被害には重大、甚大なものがあります(ライブドア事件は、正にその典型的なケースでしょう)。
従来は、証券取引法違反を一種の形式犯としてとらえ、執行猶予が付されることが多い傾向にありましたが、ライブドア事件では、裁判所がこの種の犯罪を明確に「実質犯」として捉え、重大、甚大な被害に見合う刑を宣告するという厳しい姿勢を鮮明に打ち出した、と言っても過言ではないでしょう。
この種の犯罪を、軽微な万引やスピード違反等と同視して軽視し、検挙された人々を「運が悪い」などと気楽に論評することが、いかに現在の裁判所の見方、感覚と乖離しているか、ということを、改めて強く感じます。