罰則の強化  不公正取引厳しく

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007092502051382.html

金商法ではすでに一部の法律が施行されている。昨年七月にはインサイダー取引など法令違反に対する罰則が大幅に強化されている。
罰則の強化は二〇〇六年一月に発覚したライブドア証券取引法違反事件も引き金になった。虚偽の情報で株価の変動を狙う「風説の流布」や有価証券報告書の虚偽記載などは、刑事罰が懲役五年以下から懲役十年以下に強化された。
村上ファンドが摘発されたインサイダー取引も厳罰化に。未公表の企業の重要情報を利用して株の売買を行えば、以前は懲役三年以下だったが、施行後は五年以下だ。
相場操縦の一種である「見せ玉」に対しては、罰則の適用範囲も広がった。

弁護士として、経済犯罪絡みの相談を受けていて感じるのは、長年の経済界における知識、経験に自信を持つ余り(そのこと自体は悪いことではありませんが)、それに引きずられる形で、犯罪になるかならないか、捜査の対象になるかならないか、どこまで捜査が進むか、といったことについて、自分の中で形成してしまった自分勝手な判断基準で動き、大きくつまずく、という人が少なくないことです。
そういった人は、謙虚さに欠けている場合が多く、刑事事件にうとく根拠もないまま「まあ、大丈夫ですよ」といった安易なことを言う弁護士の言を鵜呑みにする、という傾向にもあります。厳しい局面でこそ厳しい意見に謙虚に耳を傾けること、案件により意見を求めるべき専門家を適切に選択することが重要でしょう。
会社役員向けの雑誌から、「刑事事件入門」のような原稿の依頼があり、現在、書きつつあるところなので、そういったアドバイスも盛り込んでおかねば、と、この記事を読んで改めて思いました。