「ずさん捜査」と弁護人が批判 亜大野球部員4人不起訴

http://www.asahi.com/national/update/1228/030.html

昨年末のニュースですが。

被告と同じ車両にいて共謀したとして現行犯逮捕された点について、「通学途中にたまたま出会っただけで事件とは無関係」と説明。「4人とも一貫して『やっていない』と話してきた。見込み違いを解明するのに20日間も勾留(こうりゅう)が必要だったのか」などと話した。

証拠関係がわからないので、はたして捜査がずさんだったかどうかもよくわかりませんが、似ているな、と思うのが、複数によるスリ犯の捜査ですね。複数でスリをする場合、実行犯と、いわゆる「幕」(実行しているところが見えないように隠したりする役)が、狙った相手に接近し、そこをスリ係の刑事が尾行して、すった(すろうとして実行行為に着手した)ところをとらえて現行犯逮捕する、というのが通常の捜査ですが、その際、「幕」は、それまでの動きから見て逮捕しているわけで、実際に共謀や、「幕」としての役割分担があるかどうかは、その後の捜査により解明されます。
その結果、「幕」が起訴される場合もあれば、証拠が十分ではなく起訴されない場合もあります。
この種の事件で、最終的に起訴されない場合に、さかのぼって、捜査がずさんだったかと言うと、難しいものがあるでしょう。
捜査は、嫌疑に基づいて行うもので、嫌疑が強まって起訴される場合もあれば、捜査により嫌疑が弱まり(あるいはなくなって)起訴されない場合もあり、後者の場合に、捜査がずさんで無駄だったかと言われると、なかなか微妙な場合が少なくないということは言えると思います。