「破綻のJAL資格なし」と羽田発着枠でANA

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120823-00000208-yom-bus_all

配分を巡っては「自助努力してきた全日空に一定の配慮をすべきだ」(航空関係者)との意見もある一方で、「発着枠の問題は切り離して議論すべきだ」との指摘もある。国交省日航の再建問題と発着枠配分のあり方をどう判断するか注目される。

借金を踏み倒し、散々、他人様に迷惑をかけた上での競争力を持つ企業には、こういった場面で、ハンディをつけないと、借金を踏み倒さずこつこつと真面目にやってきた企業との関係で、あまりにも不公平でしょうね。今後の国民の利便性という観点では、LLCの発着枠を増やす、ということも、政策として積極的に検討されるべきではないかと思います。資格がある、ない、といった感情論ではなく、公平性や今後の国民への利便性といった基準に照らして、検討されるべき問題でしょう。

2012年08月22日のツイート

海外インターン、リスク認識を ルーマニア邦人女性殺害に仲介団体「ノーコメント」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120823/crm12082308080002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120823/crm12082308080002-n2.htm

学生を派遣している財団法人「海外産業人材育成協会」(東京)によると、協会の斡旋数は5年前の約50人から本年度は約250人に。担当者は「留学より実践的なことができるとして関心を示す学生が多いようだ」と話す。協会は「違法なタクシーには乗らない」「女性は肌の露出を避ける」などの注意点をまとめた手引を配布。派遣先を日本企業の現地法人に限定し、空港への送迎を依頼するなどの対策も取っているという。

渡航を仲介したアイセックの広報担当の男性は取材に対し「ご遺族の意向を踏まえ、一切取材はお受けできない」と話した。今後の被害防止策などについても「ノーコメント」としている。

この、アイセック、なる得体の知れない団体が、被害にあった女子大生の渡航について、何をどこまで配慮していたのか(あるいは何もしていなかったのか)、海外渡航経験が皆無ではないような被害者が犯人と一緒にタクシーに乗ってしまうに当たりこの団体の手配の行き違いが影響していることはなかったのか、今後も多数の学生が利用するにあたり再発防止策をどう考えているのか、等々、次々と疑問がわいてきますが、この得体の知れない団体は、一切、ノーコメントで通しているので、皆目、わかりませんね。
一つ言えるのは、こういう得体が知れず、自らが関与した件で死者まで出ているのに一切をノーコメントで通す見識のなさ、再発防止策すら明示できないでたらめさに照らし、この団体には関わらず、利用すべきではない、ということでしょう。確かに、個々の安全対策、というものも求められますが、その中には、こういうずさんな団体を利用しない、ということも含まれると思います。学生の親や家族も、そういった観点で、インターンシップ参加にあたり注意して見る必要があるでしょう。

殺人1件、被害者に重傷を負わせた殺人未遂2件等の事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例(愛知の立て篭もり発報事件上告審決定)

判例時報2153号140頁以下に掲載されていました(最高裁第三小法廷平成23年3月22日決定)。SAT隊員が死亡するなどした、著名な事件です。
事実認定上の問題もありますが、大きな焦点は量刑(検察官が死刑を求めて上告)で、判例時報のコメントにもある通り、決定で、結論としては無期懲役という原審の判断を是認しつつも、適法に職務執行中の警察官2名に発砲し1名を殺害し1名に重い後遺症が残る重傷を負わせたことが特に重視され「死刑に処すべきであるとする検察官の主張も理解できないではない」とされていることが、今後の、死刑かどうかが問題になるケースで、考慮、重視すべき事情として参考にされることになりそうです。

現住建造物等放火被告事件につき、訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる放火方法を認定したことが違法とされた事例

判例時報2153号142頁以下に掲載されていました(最高裁第二小法廷平成24年2月29日決定)。
どういった場合に訴因変更が必要になるかについては、従来、抽象的防御説と具体的防御説の対立、という図式で語られてきましたが、最決平成13年4月11日で、基本的に抽象的防御説に立ちつつも訴因の特定に関する識別説(対するのが防御権説)も取り込んだ基準が定立されていて(審判対象画定のため必要な事項が変動する場合は訴因変更を要し、そうでない場合も被告人の防御にとって重要な事項が変動する場合は原則として訴因変更を要するが、審理経過等から被告人に不意打ちを与えず、判決で認定される事実が訴因事実に比べ被告人に不利益でなければ例外的に訴因変更を要しない)、本件では、そのあてはめが問題になったものでした。
元々の訴因が「ガスコンロの点火スイッチを作動させて点火し」としていたものを、2審判決で「何らかの方法により」と認定したことが、決定では、被告人の防御にとって重要な事項の変動と捉えられた上で、攻防が、元々の訴因にある行為が故意に基づき行われたかにつき展開され、検察官は元々の訴因にある行為以外の行為を予備的に主張しておらず、裁判所も元々の訴因にある行為以外について防御の機会を与えていなかったことから、例外に該当せず訴因変更を要したもの、と判断されています(但し、破棄しなければ著しく正義に反するものではない、として上告棄却)。
平成13年判例は、従来の議論の、曖昧でもやもやとしていた部分を整理、明確にしたものと思われますが、それをあてはめるとこうなる、ということを示している点で、参考になる判例、という印象を受けました。