殺人1件、被害者に重傷を負わせた殺人未遂2件等の事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例(愛知の立て篭もり発報事件上告審決定)

判例時報2153号140頁以下に掲載されていました(最高裁第三小法廷平成23年3月22日決定)。SAT隊員が死亡するなどした、著名な事件です。
事実認定上の問題もありますが、大きな焦点は量刑(検察官が死刑を求めて上告)で、判例時報のコメントにもある通り、決定で、結論としては無期懲役という原審の判断を是認しつつも、適法に職務執行中の警察官2名に発砲し1名を殺害し1名に重い後遺症が残る重傷を負わせたことが特に重視され「死刑に処すべきであるとする検察官の主張も理解できないではない」とされていることが、今後の、死刑かどうかが問題になるケースで、考慮、重視すべき事情として参考にされることになりそうです。