窓口担当者が「リークあり得る」 NHK、不適切と陳謝

http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY201001250353.html

NHKは25日、小沢一郎民主党幹事長をめぐる事件の報道について視聴者コールセンターに16日に寄せられた質問に対し、担当者が「(検察の)リークはあり得る」と答えていたと発表した。NHKは「きわめて不適切な対応だった」として陳謝した。コールセンターの業務を委託されているNHKサービスセンターは、契約職員だったこの担当者との契約を、事実がわかった翌日の22日に解除した。
NHKによると、16日夜の教育テレビの手話ニュースで、元秘書の衆院議員が容疑を認めたと伝えた直後、視聴者から情報の出どころを尋ねられた。

上記の報道について、「リークはあり得る」と伝えたのであれば、やや勇み足という気はしますが、

検察とリーク
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20100121#1264048021

でコメントしたように、リークはあり得る、というか、厳然としてあるわけですから、契約を解除するほど不適切なことか、という印象は受けますね。
上記のエントリーで書いた、売春汚職の際のY売新聞への情報の抜け(「赤レンガ」経由)は、不世出の検事総長と言われた故・伊藤栄樹氏の「秋霜烈日」

秋霜烈日―検事総長の回想

秋霜烈日―検事総長の回想

に書いてあることで、伊藤氏がわざわざ嘘を著書で書いたとは到底思えず、かつてそういうことがあった、ということは、それだけでも、そういったことが今でも行われている可能性がある、「あり得る」根拠になるでしょう。
Y売新聞の記者は(法務・検察庁内の抗争に巻き込まれて気の毒であったとはいえ)、ガセネタを、それと知らずにリークした法務省高官の情報を鵜呑みにしたからこそ(鵜呑みにするのも無理からぬ面はありますが)、ガセネタが紙面ででかでかと掲載されたもので、マスコミは独自に情報収集し、それを検察幹部等に裏取りしているだけでリークはあり得ない、といった建前論がいかに欺瞞的なものかということが、この一事だけでも明らかです。
検察庁を出入り禁止になったりして干されることを恐れているのかもしれませんが、そうだとすれば、国民からむしり取った受信料で成り立っていながら、どこを向いて仕事をしているのか、ということになりかねません。
権力に毅然と立ち向かえない、弱腰の「公共」放送(受信料の取り立てには熱心でありながら)ということを感じさせるものがあります。

水谷建設元トップ 05年衆院選陣中見舞い

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010012502000206.html?ref=rank

石川容疑者は特捜部の調べに金銭授受を否定。大久保容疑者も「元経営トップに会ったことはあるが、金は受け取っていない」と供述しているという。小沢氏も二十三日の会見で、水谷建設からの資金提供を全面否定している。

収賄、選挙違反等々で、金品の授受ということについては、渡したとされる側、渡されたとされる側の供述が食い違うと、物証、裏付けがなかなか得難いだけに、事実認定が困難になりがちです。例えば、かつて、自民党の実力者であった故・梶山静六氏に関する贈収賄疑惑があり、金を渡したと供述する者があって、一時は信憑性があるものとして報道(その時も「リーク」があったのかもしれませんが)もされていましたが、実は、その供述者が金を着服していて、それを隠して「渡した」と供述していたことがわかって、その線での捜査が頓挫した、ということがありました。梶山氏に累が及びかねないことがわかっていながら、苦し紛れにそういった虚偽供述をする者がいる、実際にいた、ということは、こういった授受の認定が一筋縄では行かず、一見、信憑性がありそうな供述であっても虚偽である場合もある、ということを示していると言えるでしょう。
ついでに言うと、その調書を見たわけではありませんが、梶山氏に金を渡したと虚偽供述していた着服者は、おそらく、まことしやかに、渡した時期、場所、その際の梶山氏の言動等々を供述し調書化されていたはずで、着服が判明せず金を渡したと頑強に言い張っていれば、かなり深刻な事態に陥っていたということも十分あり得ます。
それだけに、捜査は慎重の上にも慎重に進められる必要があり、この人がこう言っているから言っている通りに違いない、といった安易な認定、思い込みには多大な危険がつきまとうものです。

セレブ御用達、青山の会員制クラブ倒産 負債37億円、会員権紙くず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100125-00000552-san-bus_all

帝国データによると、同社の設立は1989年で、クラブにはラウンジのほか、和洋の食事ができるダイニングバーなどが備えられている。有名人のほか、大企業幹部や中小企業の社長が、プライべートや接待で利用。2003年12月期には、売り上げ約17億円をあげていた。だが、関連会社が年会費を徴収した翌月に倒産するなど、経営が危ぶまれていた。

「関連会社が年会費を徴収した翌月に倒産する」というのは、利用者としては、だまされた、裏切られたという思いが強烈に残りそうな倒産ですね。ネット上で調べてみると、この倒産が利用者の不信を招き、その後の営業不振へとつながって行った側面があるようです。
この種のクラブは、都内にいろいろとありますが、一昨年のリーマン・ショック、その後の大不況で、売上が大きく落ち込んで、なかなか厳しい経営状況にあるところが多いようで、不景気そっちのけで検察庁と政界実力者が激突しているような状況では、当面、好転は期待できそうにありません。

証人威迫事件、差し戻し審で弁護士に逆転有罪判決 広島

http://www.asahi.com/national/update/0119/OSK201001190070.html

被告は04年4月、指定暴力団共政会が絡む別の恐喝事件で広島南署に逮捕され、留置中だった男性と接見。5代目共政会会長の守屋輯(あつむ)被告(67)=恐喝罪で公判中=が解体業者を恐喝していたとされる事件について、男性が何らかの事情を知っていたとみられることから、「共政会の5代目が守屋さんに決まりましたよ。この意味が分かりますか」などと話し、暗に捜査機関に証言しないよう脅した。

逮捕時に

証人威迫で弁護士逮捕 恐喝事件の被害者に圧力
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061012#1160582879

と、事件に対して懐疑的なコメントをしましたが、1審無罪、控訴審で破棄差し戻しとなって、差し戻し後に今度は有罪と、かなり事実認定が微妙な事件になっているようです。判決の認定でも「暗に」脅したとされていて、もちろん、証人威迫、脅迫といったことは許されないものの、捜査機関のさじ加減1つで、接見の際の弁護士の言動が立件されたりされなかったり、ということでは、弁護権に重大な脅威を与えかねず、捜査機関に対し、この種の事件の立件には慎重な検討、対応を望みたいという気がします。