「相思相愛の抗弁」

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20071028/1193578728


確かに、「淫行」について合憲限定解釈を行った福岡県青少年保護育成条例違反被告事件・最高裁判決の趣旨は、青少年保護育成条例上の淫行だけでなく、児童福祉法児童ポルノ法等における、児童との間の性交、性交類似行為、児童ポルノ製造行為等にも及ぼされる必要があるでしょう。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070618#1182126010

でコメントした米国の「ロミオとジュリエット法」も、一定の相思相愛関係を不可罰とするもので、日本でも取り入れる余地があるのではないかと思います。
愛の本質に思いを致しながら、諸外国の立法例も参照しつつ、「相思相愛」という観点から各法律、条例を横断的に切って行くと、非常に興味深い論文が書けるかもしれません。ここは、奥村弁護士に期待しましょう。

お通夜

親戚のおばあさんが亡くなり、昨日夜、都内で行われたお通夜に参列してきました。かなり前から都内に住んでいた関係で、私が早稲田大学に入った際、下宿探しを手伝ってくれたり、巨大な東京で右も左もわからず、田舎から出てきて何事にも心細い私を、時々、自宅に呼んでくれて、ご馳走してくれたり励ましてくれた、優しいおばあさんでした。
思えば、大学入学後、司法試験に合格するまでが、私の人生上、最も辛く苦しい時であったように思います。その後にも、いろいろと、辛いこと、苦しいことはありましたが、あれほど合格率が低く(新司法試験のように2割、3割も合格できるならあれほど苦労はしなかったでしょう)、先が見えない試験を受けていた時に、温かく励まし、応援してもらった恩は忘れられないものがあります。仕事の合間をぬってお通夜に参列し、霊前で手を合わせて心の中でお礼を言い、当時のことを、しばし思い出しました。

藤波元官房長官が死去 リクルート事件で有罪判決

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102801000467.html

89年、リクルート事件で起訴され自民党を離党し、93年の衆院選では無所属で出馬したが落選。同事件の1審で無罪判決を受けた後、96年の衆院選で当選、自民党に復党した。だが、99年に最高裁で有罪が確定し、再び自民党を離党。2000年の衆院選で11回目の当選を果たしたが、03年7月に「健康が思わしくない」として政界引退を表明した。

一時は将来の首相候補、とまで言われた逸材でしたが、上記の記事にあるリクルート事件連座したことが、政治家としての前途を閉ざし、また、その死をも早めたように思います。
ご冥福を心よりお祈りします。

将来の首相候補、「リクルート」で暗転…藤波孝生氏逝く
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071028ic24.htm

冤罪防止 “刑事弁護士”をもっと

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2007102902060081.html

裁判員裁判の実施、被疑者国選弁護の拡大を前に、「刑事に強い」弁護士の大量育成が急がれる。冤罪(えんざい)防止のためには、使命感はもとより、豊かな知識と弁護技術を兼ね備えた弁護士が必要だ。

特に異論はありませんが、一朝一夕には無理で、時間がかかるでしょう。裁判員制度、拡大された被疑者国選制度には、とても間に合わないと思います。
上記のような弁護士が順調に育成されるためには、継続的に、知識や技術が身につくような事件を受任し、かつ、そのような事件を受任することにより経済的にもそれなりに引き合って行く必要がありますが、現状では、そういった環境を作って行くこと自体、かなり難しいでしょう。
やはり、私が前から何度かコメントしているように、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070518#1179415533

公設弁護人事務所、といった制度を作り、現在のように、国選弁護へ広く浅く税金をばらまくのではなく、公設弁護人事務所を核とした刑事弁護システムへ効率的かつ合理的に資金を投入し、「刑事に強い」弁護士をうまく育てて行く必要があると思います。

「友人の友人はアルカイダ」 鳩山法相、外国人記者らに

http://www.asahi.com/politics/update/1029/TKY200710290288.html

発言後、法務省には確認の問い合わせが殺到。法相は文書でのコメントと記者会見で、(1)自分の趣味であるチョウ研究の友人から「愛好家グループの中にアルカイダと思われる者がいて日本にも入ってきていた。爆破事件にも関与していた」という趣旨の話を聞いたことがあり、その友人の話を紹介した(2)アルカイダとされる人物は愛好家グループの1人で、グループの少なくとも1人に対して「爆破事件があるかもしれない」との事前の連絡をしたと自分は聞いている、と説明。
そのうえで、自分はその人物と友人でもなければ面識もない▽友人の話の真偽は確認していない▽この話を聞いたのは事件の3、4カ月後のこと――などと弁明した。

何が言いたかったのか、上記の弁明を読んでもよくわかりませんが、この人が、きちんと考えた上でモノを言っているわけではない、ということは、先日の、死刑に関する発言も含め、間違いないでしょう。その辺のオヤジが酒を飲みながら放言しているわけではないので、きちんと考えて、意味のあることを、意味のわかる表現で発言すべきです。
日本の法務大臣アルカイダの友人の友人、と聞いて、全世界で心配している人々が大勢出てきている可能性がありますが、自分の稚拙な発言が、いかに国益を害するか、ということを、真面目に反省しつつ考えてみるべきだと思います。
そろそろ、この辺で切っておかないと、今後、ろくなことはないと思いますが。>福田首相