http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20111004/Ncn_2011_10_post-1116.html?_p=1
http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20111004/Ncn_2011_10_post-1116.html?_p=2
現代ビジネス×MIAU(インターネットユーザー協会)のシンポジウム「違法ダウンロード刑事罰化を考える」が2011年10月1日に行われ、MIAU代表理事のジャーナリスト津田大介氏ら有識者が、その是非について議論を交わした。この模様はニコニコ生放送でも中継された。
今回の主要議題でもある「違法ダウンロードの刑事罰化」の罰則規定案ついて議論が及ぶと、弁護士の落合洋司氏は、
「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金を併科できるという罰則はけっこう重い。併科できるのだから、(懲役刑と罰金刑を)両方科されることもある」
と述べ、違法ダウンロードという行為に対しての量刑が厳しいことを指摘。津田氏からの「他の犯罪でいうと(比べると)、どれくらいの量刑か?」との問いには、
「例えば、『不正アクセス行為の禁止等に関する法律』に反して不正アクセス行為を行った場合は、1年以下の懲役(または50万円以下の罰金)だったはず。そういったことを考えると、(違法ダウンロードの)罰則がかなり重いというのは間違いない」
と答え、他の類似法と比べても、かなり厳しい罰則が伴っているという見解を示した。
ちょっと前のことになりますが、上記のシンポジウムに出てきました。シンポジウムでも言いましたが、私の意見としては、慎重に、消極方向、ということですね。
そもそも、違法コンテンツをアップロードする者を取り締まるのが先決で、捜査にしても、民事的手段にしても、そういった者に対処するという、「元を絶つ」手法で効果を上げているのが実情でしょう。末端のダウンロード利用者に刑罰を科しても、元を絶たない限り実効的な権利侵害防止を行うことはできない上、末端利用者にしてみると、違法コンテンツのダウンロードをやってしまわないかと、常にびくびくと怯えながらインターネットを利用するということになりかねず、委縮効果がまん延して、インターネット利用を大きく阻害する弊害のほうがはるかに大きくなるのではないかと思います。
そういった末端利用者は、刑罰により威嚇すべき対象というよりも、適切に啓発し、適正な利用をする方向に善導すべき対象でしょう。刑罰というものは、社会統制の一手段で、その効果が甚大、苛烈であるだけに、濫用すると、人の世を暗くし窮屈で住みにくいものにしてしまう恐れがあります。現在、違法ダウンロードの刑事罰化、という、そこまで厳しい手段を講じなければならないのか、ということを、生じる弊害、マイナス面にも目を向けて、慎重に検討しなければならないと思います。
そういったことを含め、シンポジウムでは、様々な意見が出て、この問題を考える上で、有益なものになったのではないかと、終了後に感じました。