出てからかなり経ちますが、拾い読み、流し読みはしていてもきっちり通読していなかったので、今更ながら最初から最後まで、きっちりと読みました。
この独白録の成立過程、性質については、その後に
も出ていて(こちらも近日中に精読予定ですが)、東京裁判等も意識した対策の一環という見方が有力なようです。確かにそうかもしれませんが、きっちりと読んだ印象としては、昭和天皇ご自身、記憶を辿りつつ率直に語っていると感じましたし、客観的な事実関係と異なるところ(おそらく記憶違い)がそのままになっている点も、昭和天皇の語りのオリジナルを尊重しようとしたことが強く伺えるものだと思います。
「独白録」が明らかになった後に、側近の書き残したもの、日記なども出てきて、昭和天皇が語っていたことがさらに明らかになっていますが、これだけのボリュームのあるものは他にはなく、昭和天皇の語り残したものとして、依然として貴重な存在であり続けるように思われます。