https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000094-mai-soci
富田林署は1988年12月の建設以降、アクリル板を修理・交換した記録がなかった。府内の他の署も多くが同様とみられ、一部の署では接着用の樹脂が劣化していたという。
署が月1回実施する設備点検はアクリル板も対象だったが、点検方法は規定されておらず、目視のみだった可能性が高い。
背景に存在する問題としては、
・被収容者が、接見終了後、長時間、接見室にいる状態に置かれていた
・アクリル板が蹴破る程度で逃走できるものだった
ということでしょうね。
何年か前に、接見終了後に接見室に1人でいた被収容者が自殺してしまうという事故もあったと記憶しています。拘置所でも警察の留置場でも、弁護人接見が終わったら、被収容者、あるいは弁護士側が、ブザーを押すとか扉をノックするという方法で担当者に終了を知らせるのが普通で、接見開始の際に、連行してきた係官が、被収容者や弁護士に、終了時の措置を言うものです。留置管理権の一環として、入退室をきちんと行うのは基本で、接見終了を把握できなかったのを被収容者や弁護士のせいにするのであれば、それはお門違いでしょう。報道では、ドアの開閉の際に鳴るはずのブザーの電池が抜かれていたとのことで、留置管理体制に重大な欠陥があったと言えると思います。
アクリル板が蹴破る程度で壊れてそこから逃げられてしまうというのは、留置管理体制を論じる以前の問題でしょう。
接見室から逃走する者はいないという、思い込みや安易な考えは捨てて、逃走される隙はないかという観点で、全国の留置施設での早急な見直しが必要だろうと思います。