https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180716-00050031-yom-soci
賄賂提供については、同社の元取締役が最終的に了承した疑いも浮上している。特捜部は、元取締役らが事業のコスト対策を優先させたことが不正の背景にあったとみて、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)容疑で捜査している。
こういった事件の背景については、以前、仕事の関係でいろいろと事情を聞いたことがあるのですが、東南アジアの国によっては「賄賂」が公務員の給与(低く設定されていてそれだけでは生活が苦しい)の補填という位置付けになって、供与された賄賂を皆で(一つの部署単位で)、そういう性質のものとして山分けするということもあるようで、そういうカルチャー、風土の中で、要求型の贈収賄ということになると、贈賄側としてはなかなか苦しい選択を迫られることになると感じるものがあります。国によっては裁判官も買収が効き、金次第で勝ち負けが決まるということも、当たり前のようにあると、現地の事情に通じた人から聞いたこともあります。
タイの国内事情がどういうものなのかはよくわかりませんが、処分は処分として決めつつも、処分内容、量刑においては、そういった背景事情が「酌むべき事情」として適切に考慮されなければならないでしょう。手続の過程において「取引」が介在しても、処分結果、処分内容や量刑が国民の不信を招くようなものであれば、刑事司法に対する国民の信頼を損ねることになり刑事司法としての権威、威信が失墜しかねないことになります。