適性試験、任意に=法科大学院入試―中教審部会

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160511-00000141-jij-soci

適性試験は、法律の知識ではなく、判断力や読解力などを問う内容。各法科大学院が入試の際、合否判定に活用している。しかし、文部科学省が昨年、学生を募集した45校に調査したところ、41校が「適性試験が志願者確保の障害になっている」と回答。試験の場所や回数が限られていることなどが理由に挙げられた。 

私も、随分と多くの法曹志望者を見てきて、その多くは司法試験には合格できなかったわけですが、向き不向きというのは確かにあって、頭の良し悪しとはまた別の適性かな、という気がしています。もちろん、元々の能力がそれなりに高くないと駄目ですが、では東大法学部を出ているような人が全部が全部司法試験に合格できるかというとそういうわけではないですし、世間的には評価があまり高くない、偏差値も低い大学出身でもかなり早期に司法試験に合格する人もいて、一種独特の適性というのは確かにあると思います。
昔の旧司法試験の当時は、法科大学院制度がなく、受験勉強をしながら自ら適性を判断するしかなく、1つの指標としては択一試験(論文試験前にふるいにかけられていた)に合格できるかどうかで見られていた面もありましたが、択一には強くても、論文の答案を書くと、どうもこの人はちょっと、という人も結構いたものでした。
適性試験は、1つの判断指標ではあっても、それにとどまらずその人の適性というものを今後も見ていく必要があり、第一次的には自己責任なのですが、なかなか科学的、明確に、ある、なしと結論が出しにくく(受験指導豊富な大学教授に、受験をやめたほうが良いと言われた次の年に合格した例を聞いたことがあります)、今後も悩ましい問題であり続けるでしょう。