覚醒剤密輸:「運び屋」にされる若いタイ人女性が急増

http://mainichi.jp/select/news/20150419k0000m040098000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20150419k0000m040098000c2.html

財務省関税局によると、覚醒剤の密輸容疑で逮捕された複数のタイ人は「アフリカ系の男に頼まれた」と供述しているといい、アフリカから直接持ち込まれていた覚醒剤がタイを経由するようになったとみられる。担当者は「アフリカ系の密輸組織への取り締まりが厳しくなりタイ経由にしたとみられる。摘発された多くが経済的に貧しい農村部の女。タイ国内にアフリカ系の犯罪組織が入り込み、恋愛感情や報酬を利用して運び屋に仕立てている可能性がある」とみる。

私は、検察庁を辞めた当時に千葉地検で薬物事件全般を担当する麻薬係検事をやっていましたが、タイから航空機に搭乗して薬物を密輸してきて成田空港で発覚、検挙されたケースも何件かやったことがありました。ただ、運び屋はいずれも日本人であった記憶です。日本での、この種密輸事犯の量刑がかなり重いことや割に合わないことが、現地にいる日本人の間で広まって確保が難しくなりタイ人が運び屋になっているという面もあるのかもしれません。
軽い気持ちで、割の良い小遣い稼ぎ感覚でこういった犯行に及ぶ人が多いものですが、税関当局の情報収集力にはかなりのものがあり、海外の取締り機関からも様々な情報が寄せられていて、運び屋が日本に到着する前に先回りして情報が税関当局に寄せられそれを元に徹底的に検査して隠匿された薬物が発見、ということもありますから、薬物かどうかまではっきりわからなくても、他人から安易に物を預かって航空機に搭乗し持ち込む、といったことは厳にやらないに限ります。