運命の2時46分発 駅で交差した「生と死」 JR仙石線野蒜駅

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110501/dst11050120060023-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110501/dst11050120060023-n2.htm

下りの「石巻」行きの快速電車(4両編成)も野蒜駅を発車直後、突き上げられるような衝撃が襲った。電車は小高い丘で停止。車掌らが乗客約50人を3両目に集め、避難誘導しようとしたが、野蒜地区に住む男性乗客の1人が制止した。
「ここは高台だから車内にいた方が安全だ」
皆、その言葉に従った。
しばらくして轟(ごう)音(おん)とともに津波が襲来。あっという間に家や車をのみこんだ。家の屋根につかまりながら流される70代の男性を車掌らが救出。津波は線路の直前で止まった。冠水しなかったのは、電車が止まっていた丘の上だけ。

明暗を分けた2つの電車が取り上げられていて、興味深いですね。記事の最後で、

「上り電車で犠牲者が出たのは残念だが、乗務員は内規に従っており責められない。一方で、下り電車はマニュアルにとらわれない臨機応変な対応をとった。結局、それが生死を分けたのかもしれない」

とまとめられていますが、下り電車が、上り電車と同様に行動していれば犠牲者が出たことは確実で、こういった非常時に、マニュアル、内規にとらわれず、柔軟に対応する必要性や、そういった行動を可能にする判断力の重要性といったことを痛感します。
かつて発生した、北陸トンネル火災事故で、列車がトンネル内で停車したことから被害が拡大したことから、それまでの、事故があれば停車するという内規が改められ、トンネル内の火災の場合は停車せず走り抜けることに改められたという話を聞いたことがありますが、こういった大震災での実例に基づいて、JR等の交通機関における内規についても、今後、適宜、見直しが必要になると思います。