自称真犯人メール・可能性についての考察

一昨日、私やマスコミ関係者などへ送られてきた、遠隔操作事件の、自称真犯人からのメールですが、差出人について、いくつかの可能性を考えてみました。
1 真犯人
犯行の手段・方法を具体的に語り、秘密の暴露として複数の事実関係を提示していることや、メールを見る限りですが、首肯できる説明をしていることから、その可能性はあると思います。ただ、実際に、メールで語られている方法で犯行が可能なのか、秘密とされていることにどこまで該当するものがあるか、慎重な分析、検証が必要でしょう。
2 被告人
これは、かなり疑われているところではないかと思います。ただ、私が感じるのは、被告人、弁護人の「遠隔操作されていた」という主張は、私が把握した限り、かなり抽象的、雑駁なレベルにとどまっていて、検察官があれこれと提示している、被告人が使用していたPC等における「痕跡」と遠隔操作されていたこととの整合性を説明できていませんでした。被告人が、今ここでこういう説明を、別人である真犯人を装ってするのであれば、もっと公判での主張に反映させていたはずではないかという、素朴な疑問があります。
また、被告人の動静は、弁護人だけでなく警察当局の監視下にも置かれているはずで(行動確認が継続してされている可能性が高いでしょう)、その中で、このような行動がとれるかという点も考慮すべきでしょう。
3 警察関係者
警視庁公安部の秘密漏えい事件のように、警視庁内部に、こうした行為に及ぶ輩がいる、という可能性は排除できません。捜査情報を入手できる者であれば、一定の専門知識を持っていれば、このようなメールは作成できる可能性が高いでしょう。愉快犯的な動機や、被告人を陥れるため、あるいは、被告人の犯人性に疑問を抱いていて別の真犯人の存在を強調することで被告人をアシストする等々、様々な思惑で、そうした立場の者がやった、そういうことは、一応、考えられます。
4 第三者
本件については、ジャーナリストの江川さんが、公判についてかなり詳細にレポートしていますし、弁護人からマスコミ関係者には様々な資料が提供され、一般人でもかなりの情報に触れることができる状況にはあります。そういった情報に、専門性のある立場からの推測、推論を付加することで、このようなメールを作成することも、可能性としてはあり得るでしょう。ただ、そういった立場でここまでのものが書けるかは問題になり、書けない部分があれば、この可能性は排除されることになります。

あくまで印象ですが、4の可能性はかなり低く、2の可能性もそれに次いで低くて、1か3あたりではないか、という気がするのですが。