ペースメーカー:電車の「携帯電話電源オフ」再検討の動き

http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e040247000c.html

強い電波が出た「第2世代」と呼ばれる携帯電話が使用停止となった昨年、総務省が再度調査したところ、影響を与える距離は最大で3センチだった。このため今年1月、総務省は余裕をみて指針を「15センチ程度離す」と改訂した。

実は優先座席付近での携帯電話利用を巡るトラブルは絶えない。札幌市内では昨年8月、乗客同士の暴力ざたに発展し、運行が止まる事態になった。関西の大手私鉄幹部は「携帯電話の使用と禁止を求める双方からの苦情が絶えない。緊急地震速報の受信などを考えると、電源オフの不便も大きい」と本音を漏らす。
指針に関し、約30年間、ペースメーカー治療に携わっている板橋中央総合病院循環器科不整脈心不全診療部長の中島博医師は「胸ポケットに携帯電話を入れて抱き合うなどの特殊な状態が続く場合を除き、電波に干渉される可能性は極めて低い。電車内の放送は装着者に過大な恐怖を与え、普通の生活を送るために装着したはずの患者が、不安で電車に乗れないなど生活が制限される事態が起きている」と指摘する。

数年前に、地下鉄車内でスマートフォンを手にしていたところ、乗客の男性から、ペースメーカーに影響が出るかもしれないので切ってくれ、と言われ、あわてて電源を切ったことがあります。影響が出るものなら、切らなければならないと思いますが、上記の専門家である医師のコメントでは、「胸ポケットに携帯電話を入れて抱き合うなどの特殊な状態が続く場合を除き、電波に干渉される可能性は極めて低い。」とのことで(そういう特殊な状況が生じる可能性も極めて低いと思いますが)、それが実態なら、そもそも規制が必要なのか、規制するとしても限定的なもので済まないか、再検討は不可避でしょうね。
考えてみると、シンガポールなどで電車に乗っていても、スマートフォンを切れ、といったアナウンスや表示が出ていた記憶はありません。外国では、この問題はどのように取り扱われているかも気になるところです。
ただ、ペースメーカーという、故障が生命の危険に直結する機器に関する問題で、慎重な対応は必要と思いますし、女性専用車両のような発想で、例えば、端っこの車両の半分くらいは、携帯、スマートフォンを電源オフにして乗るべきものと決めておき、ペースメーカー装着者はそこに乗ってもらう、といった方法もあり得るかもしれません。