http://japan.cnet.com/news/business/35026783/
Hurd氏は、パロアルトにあるJobs氏の自宅で同氏と会ったという。両氏を知る匿名を希望する人物が明らかにした。両氏は、2時間以上をともに過ごし、Jobs氏は、Hurd氏を木々が並ぶ近所へといつものように散歩に連れ出した。Jobs氏は会話のなかで幾度となくHurd氏に、復帰が可能になるよう、取締役会との関係を修復するためなら何でもするよう説いたという。そして、Jobs氏は、HP取締役陣に手紙を書くことや取締役陣の1人1人に電話することをさえ申し出た。
Jobs氏は、HPに対して精神的に傾倒していただけでなく(Jobs氏は「自分が初めて見たコンピュータはHewlett-Packardにあった。恐らく12歳の頃だ」と語っている)、シリコンバレーで最も有名な企業が崩壊するのを目の当たりにしたくなかった。また、Jobs氏は、Appleにおける(比較的)最近の歴史との共通点を見いだしていたのかもしれない。Appleは、同氏の復帰前には危機的な状況に陥っていた。
記事でも指摘されているように、現在のHPの惨状に照らせば、スティーブ・ジョブズが動こうとした方向性は正しかったと言えそうですね。そういった先見の明だけでなく、暇でもなく、残された時間は短いと知る中で、解任された知人のために時間を作り親身になってアドバイスしできるだけのことをすると申し出るところに、単なる商売上手ではない、厚みのある人間性を感じます。こういうことは、口ではやると言えても、実際はなかなかできないことです。
あの人が今もいれば、ということを、改めて、しみじみと感じさせられました。