その日の前に

その日のまえに (文春文庫)

その日のまえに (文春文庫)

数年前に、評判になっていて、その当時、単行本を買って表題作を含む作品をいくつか読んだのですが、通読まではしていなかったところ、Kindle版があったので、買って、通読してみました。表題作を含め、どれも、人の生と死というものを、しみじみと考えさせるもので、重いものがありながらも、考えさせられる、良い作品だと思いました。
明日どころか次の瞬間のこともわからない中、人生の春夏秋冬を生きて行く、そのことのはかなさや、はかないだけにそれぞれの華をどこかで咲かせたい、でも、なかなかそうはならずに終わって行く、人生の寂しさ、そうであるが故の美しさ、といったことを、しみじみと感じさせられる1冊でした。