逗子刺殺、ストーカー適用せず 警察「メールは対象外」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121108-00000018-asahi-soci

神奈川県逗子市で女性が元交際相手の男に刺殺された事件で、男から約20日間で1千通のメールが届きながら、メールを繰り返す嫌がらせをストーカー規制法違反とする明確な規定がなく、神奈川県警が捜査を終えていたことが、県警への取材でわかった。

2000年に施行されたストーカー規制法は、相手に拒まれたのに連続して電話やファクスをすることを「つきまとい」として禁じているが、メールについての明文規定はない。

ストーカー規制法については、上記の通りですが、他の報道によると、被害者は、仕事に支障が出るのでメールアドレスは変えられない、と語っていたとのことで、仕事で使っているメールアドレスであることは犯人側も知っていたはずですから、そこへ、こういった大量のメールを送り付けることを、刑法上の業務妨害罪として捉えることは十分可能であったのではないかと思います。
これだけ大量のメールが送りつけられれば、仕事で必要なメールを探し出すのが困難になる上、削除するにも手間がかかり、業務に支障が生じるのは明らかで、少なくとも、支障が生じる恐れは十分生じます。起訴までできるかどうかは不明でも、それで令状を取得して捜索、差押えするとか、被疑者として取調べ警告する、といったことは十分可能であったと見るべきでしょう。
そういったことをせず、単に、ストーカー規制法に該当しないから、と表面的にしかこの事件を見ることができなかった警察の浅薄な対応が、死なずに済む人を死なせてしまったのではないかと、大いに悔やまれるところです。
遠隔操作事件の中では誤認逮捕して冤罪を生む一方、こうした「真犯人」には十分な対応ができなかった神奈川県警の不手際に、今の警察の深刻な問題を見るような思いがします。