被害者に告訴期間伝えず 関与の男不起訴、器物損壊事件で警視庁

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120601/crm12060114210019-n1.htm

同署によると、国立市内の駐車場で22年6〜8月、府中市に住む女性の車のタイヤが4回にわたり何者かにパンクさせられる事件が発生し、同年8月に女性が被害届を提出。同署が器物損壊容疑で捜査したところ、現場の状況などから男が浮上し、任意の事情聴取に関与を認めたという。
器物損壊罪は親告罪のため、起訴するには被害者からの告訴状の提出が必要だが、被害女性から提出を受けたのは今年4月で、刑事訴訟法で規定された器物損壊事件の告訴状受理期限である「(被害者が)犯人を知った日から6カ月以内」を過ぎていた。
捜査員が、器物損壊事件では告訴期限が定められていることを認識していなかったため、女性に伝えていなかったという。

刑事訴訟法235条で、「親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。」とされ、例外はあるものの原則は告訴期間は限定されているので、例外に該当しない器物損壊罪で、上記の記事にあるようなことが起きると、告訴はできなくなってしまいます。犯人が特定できた時点で、速やかに告訴状(「告訴調書」という供述調書を作成する方法もあります)提出を受けておくべきでした。
深刻さを感じるのは、器物損壊罪のような、日常的に発生しやすい犯罪について、「捜査員が、器物損壊事件では告訴期限が定められていることを認識していなかった」という点で、これでは警察学校が何のためにあるのかわかりませんね。
民事、刑事で、時効や期間、ということは様々に問題になり慎重に対応すべき重要なポイントですが、私自身も、なお一層十分注意したいと感じました。