http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151103-00050051-yom-soci
法務省によると、この日は、強姦罪や強制わいせつ罪に適用される親告罪規定の撤廃が議題に。委員から撤廃への反対意見はなかったが、撤廃されれば被害者の意思に反する捜査や起訴も可能なため、プライバシー保護など被害者を支援する仕組みが必要だとの意見が出たという。
性犯罪の捜査、公判は、私も検察庁在職当時にも(弁護士になってからもですが)かなり経験しましたが、捜査機関側としてもかなり慎重に、被害者に配慮しながら進めていて、親告罪で告訴が出るかどうかは、被害者が加害者の刑事処罰を求めるかどうか決定し表明するという、被害者の意向を十分に尊重する制度であったと言えるでしょう。そこを、泣き寝入り防止、加害者処罰の徹底といった観点でざっくりと撤廃してしまってよいものか、私は、今でも釈然としない疑問を感じています。
被害者が立件を望んでいないのに捜査、公判が進行してしまって、そこで「プライバシー保護」といったことが現実問題として可能なのか、その過程で被害者が自殺してしまうような取り返しがつかないことが起きたらどうするのかといったことを、抽象的、理念的なところばかりで論じるのではなく、実務の現状をきちんと踏まえた具体的、実戦的な議論をしておいてもらいたいと思います。