「羊蹄丸」譲渡先 解体で研究貢献、花道

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20111110/CK2011111002000058.html

譲渡先に選んだ、愛媛県内の三十九団体が連携する「えひめ東予シップリサイクル研究会」は、羊蹄丸の花道として、新居浜東港での一般公開をまず準備していた。来年度にそれぞれ市制七十五周年、学校創立五十周年を迎える新居浜市新居浜工業高専の記念事業との位置付けだ。事務局も「できるだけ早く公開したい」としている。
同会は、現在発効に向けて国際的な運用のルール作りが進む「シップリサイクル条約」に基づき、先進的な船舶解体の事業化を見据えた団体。条約が発効すると、労働災害が多い開発途上国での船舶解体が規制され、環境に配慮した先進的リサイクル事業のニーズが国内でも高まるとみられている。国土交通省海事局船舶産業課によると、日本では現在、大型船の解体は行われていない。
船の科学館は、「解体過程も実証研究として生かすとした点を、歴史的役割を果たした羊蹄丸にふさわしいと評価した」としている。

このニュースを最初知ったとき、解体を前提とした譲渡は惜しい、他に保存を前提とした道はあったのではないかと感じたのですが、そもそも、保存すること自体が、費用面での制約もあって難しい中、上記のように、公開した上で、船舶解体のノウハウを得るために解体されれば、長年にわたり人々のために尽くし、貢献してきた羊蹄丸の花道としてふさわしいもの、と言えるのではないかと、考えを改めました。
身を捨てて仁をなす、羊蹄丸の花道を、皆で静かに送ってあげましょう。