携帯GPS利用で容疑者の所在把握へ 警察庁

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/crm11110112590009-n1.htm

改正ガイドラインでは、裁判官の令状が発付されているときに限り、通信事業者はGPSを使って位置情報を取得できると規定。その際、通信事業者は、画面表示や振動、音などでGPSによる位置情報の取得を相手方に通知することとし、位置情報に関するプライバシー侵害への問題をクリアした。

位置情報の通知によって所在把握が容疑者側に分かることになるが、警察庁では特に適用する罪種は定めず、「相手方に気づかれても所在が把握できるメリットは大きい」として振り込め詐欺のアジト摘発などへの活用も想定している。

令状が発布されることにより、法令に基づき、位置情報取得の必要性が裁判所により認められているわけですから、上記のような「通知」がなくても、よほど特別の事情がない限り、プライバシー侵害にはならないと考えるべきでしょう。例えば、誘拐犯人が誘拐された者と一緒に移動しているような時に、そういった通知があって、焦った犯人が誘拐された者を殺害するようなことが起きたらどうなるのか、テロを企てている犯人に通知が行われてテロの決行が早まったらどうするのか等々、犯罪捜査への支障が懸念されます。捜査上の情報は、秘匿せざるを得ない場合もあり、位置情報取得、といったことは、通常は相手方に知らされるべきではない、知らせるとしてもすぐにではなく一定期間を経た後に知らせるべき情報ではないかと思います。
令状発付を慎重に行う、一定の期間が経過した後には対象者に通知する、といった方法も取り得たはずで、この改正には疑問が残ります。