「お泊まり暴露」ウェスティンホテル謝罪  サイトは繋がりにくい状態に

http://www.j-cast.com/2011/01/13085390.html

同社では、社員・アルバイトにかかわらず、顧客の守秘義務に関する研修を行った上で誓約書に署名させているが、「当該従業員は個人のツイッターアカウントより、特定のお客様がホテル内レストランへ来店されたことについて発信していたことが判明」したという。ツイッターに書き込んだ従業員については「厳しい処分を下す」とした上で、
「皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたこと、改めまして深くお詫び申し上げます」
と陳謝している。

こういった行為が、法的にどのような問題を持つか、各方面からいろいろと聞かれているのですが、名誉毀損かどうか、というと、スポーツ選手とモデルが交際していてホテルに宿泊するなどする、といった事実を公表しても、それで2人の社会的評価が下がるとは考えにくく、やはり、プライバシー権侵害(私的な、公表を望まない情報を公表したことで)が問題になると考えるべきでしょう。ホテル従業員が、その職務を通じて知る情報のプライバシー性は高いのが通常で、内容にもよりますが、それを不特定多数が知り得る状態に置く違法性は、肯定できる場合が多いと思います。
こうした行為を、たまたま見かけた一般人が行った場合、ホテル従業員が行う場合よりも違法性は低いと思いますが、たまたま見かけたからと言ってプライバシーを暴露して良いということにはなりませんから、内容によっては違法性を帯びることもあり得ると思います。
プライバシーを侵害された側は、情報発信者本人だけでなく、雇用しているホテル側の責任も追及できるでしょう。不法行為責任(ホテルについては使用者責任)と、宿泊等についてホテル側と契約関係にあることを前提に、契約責任(顧客の秘密を守るべき義務に違反した)を問う余地もありそうです。
損害の中心は慰謝料(精神的損害についての賠償)ということになるはずですが、名誉毀損よりは低くなるはずで、低いほうの数百万円程度が上限、というところでしょうか。
従業員は、雇用関係の中での守秘義務に違反しているわけですから、ホテル側から損害賠償(宿泊等がキャンセルされたなど得られたはずの利益を失った、損害賠償を求められ支払った等)を請求される可能性もあります。ただ、現実的に、どこまで賠償できるかという問題はあります。
下のエントリーでもコメントしましたが、ツイッター絡みのトラブルは、今後、ますます増えそうであり、慎重な使用が求められているということが言えそうです。