スターリンの対日情報工作 クリヴィツキー・ゾルゲ・「エコノミスト」 (平凡社新書)

スターリンの対日情報工作 クリヴィツキー・ゾルゲ・「エコノミスト」 (平凡社新書)

スターリンの対日情報工作 クリヴィツキー・ゾルゲ・「エコノミスト」 (平凡社新書)

新聞で紹介されていて、特に、「エコノミスト」と呼ばれていた情報提供者に興味を感じ、その部分をちょっと読んでみました。
1941年の段階で、日本の国策が南進か北進かを巡り、ドイツの猛攻を受け苦境に陥り日本の北進を脅威としていたソ連に、南進であるという情報をもたらしたのがエコノミストで、ゾルゲ情報以上に重視されていたのではないか、そのエコノミストは誰であったかが、本書で推定されています。戦後のラストボロフ事件で有罪判決を受けた日本人の中の1人であったのではないかと本書ではされてて、根拠にかなりの説得力は感じられましたが、断定はできず、依然として闇の部分は残っているという印象は残りました。
こういった、「人」を通じた情報は、国策に決定的な影響を与えるほど重要性を帯びることがあり、情報収集の重要性と、防諜の重要性は、今も昔も変わらないということでしょう。