被害者参加公判で猶予判決=遺族、実刑求めた交通事故死−東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090220-00000061-jij-soci

先月23日の初公判で全国初の量刑に関する意見陳述が実施され、遺族は「被告は反省していない。実刑を望みます」と要望。弁護側は事実を争わず、執行猶予付き判決を求めていた。 

別の報道によると、直進していて右折しようとしたトラックが、対向してきたバイクに衝突し運転者を死亡させたという態様の事故であったということでしたが、結果は重大であるものの、通常、交通事故としては執行猶予が付される事案ではないかと思います。これが、例えば、酒気帯び、無免許が伴っているとか、事故後に逃走したといった、より悪質な事情が加わっていれば、実刑も十分あり得たでしょう。
判決でも、被害者遺族に対する被告人の不誠実な対応が指摘されていたようですが、そういった要素は、従来のこの種事件の実務においては、被告人にとって不利な事情として考慮されるものの、上記のような執行猶予事案が実刑事案に一変するほどまでの事情とは考えられていないと言えるでしょう。ただ、上記のような、より悪質な事情が加わってくる中で、そういった不誠実な対応が決め手となって、実刑か執行猶予かが微妙な事案が実刑になる、ということは、従来もありましたし、今後も起きるでしょう。
そういった従来の実務における判断枠組みが、被害者参加制度が今後、徐々に定着する中で、何ら変容しないとは言い切れず、結果が重大であるにもかかわらず事故後の対応が不誠実、といったケースでは、裁判所が、従来であれば執行猶予の事案であっても思い切って実刑に処するという傾向になってくる可能性もないとは言えません。上記の記事にある事件では、執行猶予が5年となっていますが、従来の量刑感覚では、通常は3年の執行猶予期間を4年にする、といったあたりではないかと思われ、それが5年になっているところに、既に被害者参加制度の効果が出ているという見方もできるかもしれません。
今後の、被害者参加制度実施に伴う量刑への影響については、注視して行く必要性を強く感じます。